2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧
22 「あれから2年か…。月日の流れは早いな…。望も もう3年生、私も年取る筈よね…。」落ち着きだけは、年令に伴なわない夢である。夢は並木通りのスーパーを目指して歩いていた。空を仰ぐと、真っ青な空に大きな固まりの雲が、呑気そうに顔を突き出している。…
21 工場地帯の出口に着いた頃には、もうすっかり辺りは朝に包まれていた。数少ない木の上でスズメの声も聞こえる。暗さに慣れた目に太陽が眩しい。「ここまで来れば車も通る。しばらく歩けばタクシーだって捕まるだろ。後は、お前ら二人で行け。」吉良が妙に…
20 早川は真正面から、向ってくる男に怯えながら、夢にナイフを突きつけていた。 「く、く、く、来るなっ!!」じりじり後ろへ下がって行く。吉良は脇腹を庇い、足を引き摺りながらも歩みを進めて行った。早川を見据えたまま、銃に弾を込める。そこへ、ようや…